教員だった私が「おもしろ科学」でこどもに伝えたいことがある

とっても穏やかで優しい土屋さん

 

教員だった私が「おもしろ科学」でこどもに伝えたいことがある

 

パン屋:こんにちは。土屋さんのされている「おもしろ科学」の話をどうしても聞きたくて、お忙しい中お時間を作っていただきありがとうございました。噂で聞きましたが、とってもステキな活動をされてるんですね。

土屋さん:確かにこどもたちと科学のおもしろさを一緒に体験するのはステキな活動だと思っています。子どもたちのおもしろい発想や感性を学ぶことが出来て、その子達の「何か」を引き出すことがおもしろいんです。この科学も、実験でいろいろなことが起きて、皆がどのようにやって、どんなふうに発想をして、どう感じるのかを見るのが好きなんです。だってそれってお互いにとって大きな学びじゃないですか。

パン屋:なるほど。「楽しむ」だけではなく、「学ぶ」ということにもとても重点を置いているんですね。

土屋さん:大人になるといろいろと考えとか発想が凝り固まってくるからね。子どもたちから学ぶことはたくさんありますよ。

パン屋:確かに子どもを見ていると、そんなやり方があるのか、そういう発想になるのか、社会では一見、大人が子どもにいろいろ教えているように見えますが、子どもが大人に教えることも多々ありますよね。

土屋さん:そうなんですよ。そこを引き出せると面白いですよ。

パン屋:「引き出す」ですか。あまり考えたことないですね。是非、その辺りのお話も聞かせてもらえたらと思います。

土屋さん:はい。よろしくお願いいたします。

 

音が見えて、感じる事が出来る笛を見せてくれました

 

経歴

パン屋:土屋さんの簡単な経歴を教えてもらっても良いでしょうか?

土屋さん:はい、もともと大学では教育学部に入って、教職を取りたかったんだけど、単位が足りなくて教師にはなれなかったんだよね。だから印刷会社に勤めて、印刷関係の仕事をしてたんだ。製本からはじまって写真植字、製版、印刷の仕事をして1冊の本を自分で作れるようになった。そうしたら社長からうちでコンピューターを使えるようにしたいからといってシステム作りを経験し、その後このオフコンを売ってみないかといわれて、オフコンの飛び込みセールスの仕事をした。ただ成績が上がらず、限界を感じていたころ、教員にならないかと誘われました。

パン屋:せっかくシステムを作るような技術があったのにもったいないですね。

土屋さん:まぁ良かったのは、その時代の中では割とはやくコンピューターのシステムづくりというものに詳しくなれたから、これが学校に行ったときに役に立ったんだ。

パン屋:何に役立ったんですか。

土屋さん:友人から、教師をやらないかと誘われたとき、元々単位が足りなかったから、一年間その学校の事務として働いて、その間に単位を取って2年目から教員になれたのよ。1年事務にいたときに「成績処理」のシステム作りを手がけたんです。

さらに今までの経験で情報処理関係の授業を受け持つようになり、教え始めた。でもこの時代はまだ「情報処理」というものが「教科」になっていなかった。だからそれを国が教科にしようということで、私はその教科の教科書作りにも携わっていたんだけど、いきなり情報処理の教科を教える先生は理系の先生だけということになり、自分は文系だから、自分が書いた教科書なのに教えられなくなっちゃんたんだよね。

パン屋:そんなことってあるんですか? 自分が教科書まで書いたのに教えられなくなってしまったなんて笑えますね。

土屋さん:そうだろ。教科「情報」を理系の科目にしてしまったのは教育政策の失敗だと思うな。

 

これで竜巻を作っています

 

まぁそれは良いんだけど、とりあえず私が教員として勤めていたのは女子高で、女子にどのように「情報」を教えたらいいかをずっと考えていた。私は「現代社会」という科目を教えていたとき「テレビCMに現代をみる」という授業をしていた。

パン屋:あのテレビ番組の間に入るCMの事ですか?

土屋さん:そうそう。

パン屋:テレビCMの研究って何をするんですか?

土屋さん:そうだよね。テレビを24時間撮って、CMだけを切り取って、40分間に120本ほどのCMをいれて視聴覚教室の大画面で見せた。教室は興奮のるつぼみたいにキャーキャーわーわー言って次から次に出て来るCMを見ていた。見終わったあとに「好感CM]「やめてほしいCM」というのを書いてもらった。

またその時に女子高生に好感度が高かったのがコカ・コーラのCM、あまり好感度が高くなかったのが金融やサラ金のCMだったかな。また、男の人がオムツを替えているCMや、男の人が洗濯をしているCMは好感度が高かったよ。

「情報」の教科書ではその調査とともに、そのCMの種類、スポンサー、時間帯、長さ、出演しているタレントなどをデータベースにしてそれを情報処理して分析する。テレビの時間帯によって、CMのターゲットが違うから、CMの種類、CMの長さ、CMの量すら変わってきたんだよね。視聴率の比較的低い時間はCMが少なくて、ゴールデンタイムは多かったりしたのが分かったよ。

パン屋:へ~面白いですね。その時代ってまだ女性が家事をやって当たり前の時代ですよね?つまり、その頃の女性も潜在的には男性に家事を手伝ってほしいという気持ちをもっていたってことでしょうか?

土屋さん:そういうことだろうね。実際「男は仕事、女は家庭」という役割分業に疑問を持っていたということかな。ちょうど男女雇用機会均等法ができたころだ。

パン屋:それは面白いデータですね。

 

上の写真の物を回すとこうなります

 

土屋さん:これは「倫理」の授業でしたことだけれど、中3の女子生徒に感動した本や映画などを紹介してもらうという作業をした。どういうところに感動したのかを1枚の用紙にを書いてもらって、それを4分の1に縮小し、提出されたものを全部印刷して「感動のメディアカタログ」となづけてみんなに配った。これも生徒は興奮してみていたね。それを何年かつづけておこなってみたら、いろいろなことがわかってきた。たとえばおとなの世界には浮上してこないこの世代の子どもたちに受け継がれていくベストセラーが見つかったりする。この情報を学校図書館に教えてあげたらとても喜ばれたんだ。これも「情報」の授業でおこなったらとてもおもしろい。女子高生しか発信できない特上の「情報」っていうわけだ。

パン屋:なるほど~。ベストセラーのランキングとか見ると皆が好きな本って思ってしまいますが、女子中学生をターゲットにする本を書きたいなら、女子中学生の好みを知ることが大事ですもんね。それが情報処理で出来ることなんですね。

土屋さん:そうなんだよ。これが「引き出す」ってことだと思う。

パン屋:これが先程言っていた「引き出す」なんですね。ピンと来ました。

土屋さん:これがおもしろいんだよね。現にこういうことはコンビニとかで今は当たり前に行われているでしょ。雨が降ったら、傘が売れるから、傘をどれだけ仕入れようとか、明日は気温が低いから、おでんをどのくらいしこんだらいいとか。

パン屋:なるほど。確かに「情報処理」は思ったより身近なのかもしれません。

 

ブーメランを作っています

 

何故、「おもしろ科学」なのか?

パン屋:「情報」って面白いですね。この「引き出す」ということにおもしろさを見出して今は科学をやってらっしゃるんですね。でも何故科学なんでしょうか?

土屋さん:まぁ教師を退職して、3つやりたことがあったんだ。

一つは今やっている科学のおもちゃを作って伝えていくこと。二つは森林インストラクターをやって、森のガイドをやりたかったんだよね。これは資格試験があって、これが難関。「森林生態学」がどうしてもとれなくて挫折したよね。三つ目は外国人に日本語を日本語で教えてみたいと思って、東戸塚の地区センターに通ったんだけど向いてなかったな(笑) 語学のセンスがなかったんだ。だから「おもしろ科学」をやっているんだよ。

 

完成したブーメラン 角度の付け方、重心の位置、難しいみたいです

このヘリコプター飛びます

 

この活動の目標

パン屋:因みにこのおもしろ科学たんけん工房はどうやって見つけたんですか?

土屋さん:確かタウンニュースだったかな~。

パン屋:そうなんですね。因みに土屋さんはこの活動の目標とかあるんでしょうか?

土屋さん:理科好きな子どもを増やして「ものづくり大国」をささえていけるようになることがもっとも具体的な目標ですね。やっぱりテレビゲームじゃ出てこない探求心を持ってもらいたいな。何処を見ても子どもがゲームをやっている。これだと日本は良くならないよね。

パン屋:意外とテレビゲームも探求心や、考えてやるようなものもあったりします。土屋さんはテレビゲームと科学のおもしろさの違いは何だと思いますか?

土屋さん:おもしろ科学をしていえると、子どもたちの頭の中に3つの?(疑問)が浮かんでくる。そしてその答えを自分の頭で考えようとする。このおもしろさがゲームとは違うところだと思う。

パン屋:その3つとは何でしょうか?

土屋さん:子供が「何か」を見たときに考える順番があると思います。

1、どーしてこーなるんだろう?

2、こーしたらどーなるかな?

3、どーしたらこーなるの?

 

つまり、

1は理論を生み出し、2は実験やシミュレーションをこころみ、3は技術を生み出す。

答えるのが一番難しいのは1だろうね。これは2や3の疑問を積みかさねてやっと解けるようになる。一番やさしいのはどれかわかるかな?2だろうね。2を積みかさねると3がわかってくる。

先日、学校でブーメランを作って来たけど、私が投げたものと子どもたちが作ったものでは見た目は同じブーメランで形は似ててもどう飛ぶかが変わってくる。そこで子どもたちが考え始める。何度も試行錯誤して、形を変えてみたり、回数を投げてみたり、羽に角度を付けてみたり、それでどんどん子供たちの中に「こうやったら、こうなるんじゃないか?」というデータが溜まってくる。これが大事なんだよね。ゲームじゃこうはいかないでしょ。点数をどうやったら取れるか?どうやったらクリア出来るか?ということは考えるかもしれない、でも1番の「どーしてこーなるか」を考える所まではいかない。これが大きな差になると思っている。

パン屋:これは深いですね。実際僕らの世代が子供を産んでいますが、ゲームとおもしろ科学のおもしろさの違いを説明できる人はあまりいないんじゃないでしょうか。本当に勉強になります。

土屋さん:だからゲームに負けない「おもしろ科学」のおもしろさを体験することで、子どもの理科離れをくいおとめないと「ものづくり大国」はたちゆかなくなると個人的には思っているよ。

パン屋:なるほど、納得の説明です。因みに土屋さんに会いたいと思ったらどうやって会えるんでしょうか?

土屋さん:私が参加している「認定NPO おもしろ科学たいけん工房」は実は「子どもの科学」運動では日本でもっとも大規模なものだと思う。横浜と藤沢で土曜日の午後に小学校の理科教室をかりておこなう「おもしろ科学たいけん塾」は年間150教室にも及ぶ。1教室24人が定員だから3000人以上の子どもがここに集まってくるんだ。横浜と藤沢のいろんな所でやっているから、サイト<http://www.tankenkobo.com>で見て参加してみるといいよ。

パン屋:そうなんですか?全然知らなかったです。

土屋さん:後でサイト教えるね。私は相鉄線沿いとこの寺尾の辺りを担当しているよ。今度は旭区の子供自然公園でセミの抜け殻探しに子どもたちと行く計画を立ててるからおいでよ。

パン屋:うちのパン屋その公園の裏ですよ。是非行かせていただきます。そろそろお時間が来てしまいました。

土屋さん:そうですね。また今度近くでいろいろあるから調べて来てね。

パン屋:お客さんの子どもたちも喜ぶと思います。本日は本当にありがとうございました。

土屋さん:ありがとうございます。

 

面白い資格ですね

パン屋:あ、目に入ってしまったんですがすいません、この新聞の束はなんですか?

土屋さん:ああ、これは私の情報収集活動の一環です。私はブログをやっていまして、世の中のグッドニュースとかを探して情報発信してるんですね。

パン屋:へ~。

土屋さん:私はいろいろなことにおもしろがる性格みたいで、何をみてもいろいろ調べてみたり読んでみたりします。

パン屋:どうりで知識の幅が半端じゃないんですね。僕も見習います。頑張ります。

土屋さん:まあ、そんなところでがんばる必要はないとおもいますよ。おもしろがり精神はがんばらなくてもみにつくんです。

 

NPO法人 おもしろ科学たんけん工房

 

アクセス

横浜の色々な所でやっています。実験場所はHPの日程表を見てください

 

団体情報

営業時間 HPよりお願いします
定休日
駐車場
ご利用料金
連絡先 <おもしろ科学たんけん工房>

フォーム:http://www.tankenkobo.com/toiawase.html
FAX:045-710-2670 (安田)

 

<土屋さんの連絡先>

TEL: 045-582-3087 / 080-3343-3087
FAX: 045-582-3087
Email: itaru@m5.dion.ne.jp

土屋さんの「good newsのブログ」↓
HP: http://goodnewscollection.net/

HP http://www.tankenkobo.com/dantai.html