活躍された元劇団員が語る、「バレエ」とは?

活躍された元劇団員が語る、「バレエ」とは?

 

パン屋:鍋谷明さん、こんにちは。ん?女性?あれ?

鍋谷:よく男性と間違えられます。ナベヤ アキと申します。

パン屋:へ~、「明」で「アキ」って読むんですね。かしこまりました。あれ?チラッとプロフィール見えたんですけど、劇団四季に所属してたんですか?

鍋谷:はい。そうなんです。

パン屋:え~!!!凄いですね。鍋谷さんにバレエ教えてもらえるなんて最高ですね。プロの基準も分かってらっしゃいますもんね。どれくらい所属してたんですか?

鍋谷:15年です。18歳から33歳位までですかね。

パン屋:ちょっと凄過ぎですね。これから色々聞かせてください。

 

 

鍋谷明さんの経歴

パン屋:そもそも、どうしてバレエを始めたんですか?

鍋谷:母が姉にバレエを習わせていて、後ろでくっついて踊っていました。姉二人は割とすぐに辞めてしまいましたが、自分だけ続けていました。始めたのは5歳です。

パン屋:へ~家族の影響なんですね。意外と家族の影響って反発して辞めたくなったりしそうですが、そうでも無かったんですか?プロになるくらいですから、色々大変だったんではないですか?

鍋谷:そうですね。続けていて何故か「辞める」って選択肢は持ってなかった気がします。小学3年生の頃、バレエ団の公演に昼夜連続3日間公演に出させていただいたことがあり、舞台って凄い!!と思ったのが、舞台の道を志すきっかけだったと思います。その後、母に頼み、お稽古の回数を増やしてもらいました。

パン屋:そんなにバレエにはまって、お母さんは嬉しかったでしょうね。

鍋谷:ただバレエを続けるのには悩みがありました。

パン屋:悩みですか?まさか、先生が引っ越しちゃうとか?先生が高齢でやめちゃうとか?

鍋谷:いいえ、そうではありません。実は日本ではバレエを「仕事」にお金を得ていくことは難しいんです。

パン屋:そういう事ですか。ではプロになれなかったら、バレエをやめて普通に仕事をするというのを余儀なくされるという事ですか?

鍋谷:ごく一部の方を除いて、バレエの団員はアルバイトや親の援助を受けながらやっている方がほとんどでした。

パン屋:華やかな世界に見えますが、やっぱり厳しいんですね。

鍋谷:そういう事も踏まえ高校卒業後の進路を考えていました。大学進学、バレエ留学など選択肢がありましたが、いずれもお金がとてもかかると思いました。

パン屋:いや~しっかりしてますね~。大学も行かないし、プロにもなりにくいと言ったら就職を考えたんですか?

鍋谷:舞台の道に進みたい気持ちに変わりがなかったので、日本で多くの舞台上演数がある劇団四季のオーディションに、高校3年生で挑戦しました。バレエの恩師には、経験の浅い自分がやっていくには難しいだろうと反対されましが、押し切って受けました。それが、研究生で何とか受かりました。オーディションには書類選考、予選、本選とあり、1000通超えから合格したのは20人ぐらいだったと思います。

パン屋:え~~!!1/50じゃないですか!!

 

 

劇団四季に入ってから

パン屋:夢にまで見た、劇団四季ですね。因みにどんな作品に出られたんですか?

鍋谷:有名な作品では『オペラ座の怪人』『ウエストサイド物語』などでしょうか。その他に『クレージーフォーユー』『アンデルセン』『ドリーミング』『人間になりたがった猫』『王様の秘密』等々出演しました。ですが、プロの世界は甘くはありませんでした。

パン屋:というと?

鍋谷:とにかく稽古量が半端なかったです。研究生の頃は朝の掃除から始まり、バレエ、ジャズダンス、タップダンス、開口訓練、声楽、台詞、地唄舞などレッスン漬けの日々でした。途中で試験もありました。落ちるとクビになります。

劇団員になり舞台に立たせて頂けるようになってからも、基礎レッスンに加え、公演のお稽古があり、終わってから自分のできていないところを練習するので、夜23時頃まで稽古場にいたこともよくありました。舞台は何週間、何ヵ月と続きますので、毎日舞台前後にはミーティングや当たり稽古、休演日には次の演目のお稽古をする、といった生活でした。プロというのはここまでやり込み稽古するものなのか、とこれまでとは段違いの稽古量でした

パン屋:死にそうですね。

鍋谷:今でも忘れられないのは、ツアー公演の千穐楽が長野県であり、夜公演でしたので、終演し、劇場を撤収したのが23時近くでした。翌朝9時から神奈川県横浜市にある劇団でお稽古があり、電車はもうないので、真夜中に車で送ってもらい帰宅し、なんとか稽古に間に合わせたこともあります。

パン屋:凄いというか、もうバカですね(笑)。電話で「間に合わないので休みます。」と言えなかったんですか?

鍋谷:稽古を休むという文字はなかったかと(笑)・・・その頃、普段は実家の鶴見区から、横浜市青葉区のあざみ野のお稽古場に通っていました。

パン屋:結構、距離ありますよね。

鍋谷:そうなんです。段々通う時間も惜しくなり、稽古場の近くで一人暮らしをするようになりました。それからは稽古場と劇場と家の往復だけで毎日が過ぎていきました。

 

 

パン屋:高校卒業後の皆が楽しんでいる時に、そんな生活をしていたんですね。根性が無いと出来ませんね。あれ?そういえば公演後の打ち上げは?

鍋谷:連日公演ですので打ち上げなどはありませんでしたね。私達は毎日舞台ですが、お客様がご観劇下さるのは今日の舞台一度きりなので、観て下さったお客様に喜んでいただけるよう、またいつか劇場に足を運んでいただけるよう、正に文字通り全身全霊頑張っていたと思います。

パン屋:華やかに見えても、中身は厳しい体育会系なんですね。

鍋谷:実は、劇団の演目の配役はオーディションによって決まっていきます。

パン屋:え?劇団内で役を取る為にオーディションがあるんですか?

鍋谷:はい。私は踊りは小さい頃からやっていましたが、歌とお芝居は入団前に未経験でした。ミュージカルは全てできないとダメなのです。また、キャスティングされても舞台に立つレベルまで届かないと、役を降ろされてしまい、別の方へチャンスがいってしまいます。

パン屋:そりゃ休んでられないですね。

鍋谷:そうですね。まあ私の場合は「出来る事を全身全霊でやろう」と心で決めていたので「休みたい」とは思いませんでしたが、苦しい時にはファンの方からの手紙をもらえたりして、とても励まされました。

パン屋:お綺麗ですから、やっぱり男性ファンが多かったんですか?「付き合ってください」「結婚してください」みたいな・・・

鍋谷:私は女性のファンの方が多く、若い方達多かったですね。パフォーマンスを褒めてもらう事がとても多かったです。嬉しかったですね。

パン屋:同性の方達にファンになってもらえると本当に嬉しいですよね。本心で褒められいる気がします。鍋谷さんの実力は凄かったんですね。

鍋谷:いえいえ。

 

 

パン屋:でも鍋谷さん、そんなに頑張ってやっていて、今はバレエ教室をやっているという事は、引退されてしまったんですか?

鍋谷:はい。劇団四季には15年在籍しました。本当に多くの舞台に立たせていただき、かけがえのない経験を積ませて頂きました。ですが、年齢を重ねるにつれ、自分の実力の限界を感じるようになりました。

パン屋:そうだとしても、それが劇団をやめる理由になるんですか?

鍋谷:経験を積めば積むほど、求められるものも大きくなっていくと思います。私も懸命に努力したつもりではありましたが、やってもやってもできなかったこともありました。悔しかったですが、そこで限界を感じ退団しました。

パン屋:うわ~そうなんですか?それは厳しいですね。え?では15年間ずっと出来ていたってことは相当凄い事ですね!!改めて凄いですね!!

 

バレエ教室を始める

パン屋:その後どうされたんですか?

鍋谷:辞めた後は、疲れ切って抜け殻の様になっていましたね(笑)。電話も出たくなかったですし、人とも会いたくなかったです。しばらく経ち、昔のバレエの恩師にご挨拶に行きました。そこで、「うちで教えない?」とお声をかけていただきました。

劇団在団中もバレエクラスを担当させて頂いた機会もあり、バレエ指導は好きでした。徐々に他の先生からも教えるお仕事をいただき、講師をやり始めました。またその勤め先で知り合った人と共にバレエクラスを一緒に担当するようになりました。若林幸子さんという方ですが、彼女はバレリーナでありながら、音楽大学を卒業し、バレエとリトミックを融合したバレエリトミックというメソッドを考案しました。

パン屋:考案ですか?へ~またまた素晴らしい!

 

 

バレエを学ぶとどうなるの?

鍋谷:バレエは大体4歳位から習えます。手足の「右」「左」が分かり、先生や鏡を見ながら動きや形を真似できる年齢がその頃です。

でも乳幼児(1歳~3歳位)にとって踊ったり歌ったりするのって本能じゃないですか。せっかくならその本能があるうちに、よりそこを伸ばし、先に繋げていけるように、音楽やリズムとバレエを組み合わせたのがバレエリトミックです。とても楽しいレッスンです。

パン屋:なるほど。うちのガキんちょも、何でもない時に歌ったり踊ったりしてますもんね。自分もそうだったのかな~?いつの間にかその本能はどっかに行ってしまいましたね(笑)。

鍋谷:またバレエは姿勢が良くなるだけでなく、体幹が鍛えられ、柔軟性がつき、左右のバランスも均等になったり、とても良い事が多いですね。

パン屋:そうなんですね。なんか、習字、そろばん、ピアノ、水泳とかそういう感じの習い事みたいな感じですね。そういえば、最近では学校でもダンスが必修ですもんね。これからバレエをやっておくと役に立ちそうですか?

鍋谷:ダンスの回転や高いジャンプ、足を高く上げることなど、全ての基本はバレエと言われています。リズム感も、また集中力も養われると思います。

パン屋:なるほど、では、バレエで培われる良い習慣はそろばんの暗算力、習字のキレイな字を書けるようになるのと同じような能力が備わるという事なんですね。

鍋谷:また、パソコンやスマホを使う事が多くなってきた現代では姿勢というのはとても悪くなりやすいと思っています。小さい時から良い習慣がつけばと思います。

パン屋:バレエはやるといいことが沢山あるんですね。ただ、男の子はどうなんでしょうか?男性のバレエダンサーという方もいらっしゃるのは知っていますが、とても少ない気がします。せっかく良い習慣をつける為のバレエだったら、もっと男性や男の子にも普及しても良い気がしますが、どうでしょうか。

鍋谷:おっしゃる通り女性が多いですよね。バレエは女の子がやるものというイメージが強いかもしれません。ですが、バレエは体力面でもとてもハードで、男性の高い跳躍やピルエット(回転する技)はとてもカッコイイのです!ですが、男性にとってタイツ姿は恥ずかしいと思うかもしれません。

パン屋:なるほど、確かに自分だったらちょっと躊躇するかもしれませんね。でもちゃんとした理由があれば着ようと思いますが、パツパツな練習着を着る理由ってあるんでしょうか?

鍋谷:それは、身体のラインを見せるためです。手足のポジションや、優美な形をマスターするにはやはりちゃんとしたお稽古着をお勧めしています。女の子はタイツにレオタードと、とても可愛いコスチューム姿ですね。

パン屋:なるほど、バレエをちゃんと習うためにはその服装じゃないといけないんですね。

 

 

鍋谷さんが目指しているもの

鍋谷:バレエを通じて、健康面以外の部分もお伝えしたいと思っています。

パン屋:なんでしょうか?

鍋谷:私は現在子供を教える事が多いのですが、バレエは、ご挨拶などの礼儀、集中力、姿勢、反復する力、などが養われます。それは全てに共通することと思います。

パン屋:なるほど、鍋谷さんの指導は人間力向上につながってくるんですね。バレエって深いですね。

鍋谷:バレエの舞台は華やかですが、練習はとても地味な反復練習です。出来なかった事が繰り返しの練習でできるようになる、その子にとって大きな成功体験になります。プロのバレリーナにならなくても、この成功体験は必ず子供たちの将来で役に立つと信じています。「これが出来たんだから、次も出来るだろう!!」という自信が持てます。

パン屋:確かに、成功体験があるのと無いのとでは全然違いますよね。自信のある子はなんとなく思い切った事も出来たり、逆境に強かったりしますもんね。

鍋谷:私も小さい頃からコツコツと続けたバレエ、必死に取り組んだ劇団四季の時代があったからこそ、それが今の自分の礎になっていると思います。子供達も体験する一つ一つがそうなっていくことと思います。そんな成功体験や頑張った自信を与えられるバレエ教室にしてきたいです。また学校やお友達関係で躓いた時、少しでも助けになれるような場所でもありたいです。

パン屋:なるほど。素晴らしいですね。バレエに対して全然知識が無かったですが、少し、バレエの魅力を分かったような気がします。ありがとうございます。しかも元劇団四季の方に教えてもらえるなんてまた、かなり魅力的ですね。本日は色々と教えていただきありがとうございました。

 

 

講師プロフィール

鍋谷 明 (なべや あき)

5歳より谷桃子バレエ団にてクラシックバレエを始める。

バレエを村上弘子氏、後藤早知子氏、石垣和代氏、ジャズダンスを謝珠栄氏、タップダンスを本間窓奈氏、声楽を相原廣美氏に師事。

劇団四季に15年間在団。主な出演作は『オペラ座の怪人』『クレージーフォーユー』『ウエストサイド物語』『アンデルセン』『ドリーミング』『人間になりたがった猫』『王様の秘密』他多数。出演作ではダンスキャプテンを勤める。また、劇団内のバレエ講師、研究生のバレエレッスンを担当する。

退団後は都内バレエ教室、チャコットカルチャースタジオ、高島屋カルチャーセンター、劇団ひまわり他、講師を勤め、子供から大人、シニアまで幅広く担当する。ミュージカル志望者や宝塚受験生のダンスレッスン、フロアエクササイズやストレッチの指導も手掛ける。ルミエールフロアメソッド公認講師。

現在2児の母となり、親子のバレエクラスや、バレエリトミックなど活動の幅を広げている。

 

フェアリーサークル教室紹介

フェアリーサークル バレエ教室 綱島校

一和会員サービス

綱島校の体験レッスン1000円→無料にさせていただきます。

※体験レッスンではレオタード、タイツ、バレエシューズ無料レンタルしています

 

アクセス

◆スタジオクロちゃん 綱島校

●神奈川県横浜市港北区綱島東1-18-26
●東急東横線「綱島」駅より徒歩7分

 

◆ハーモニースクエア 下丸子校

●東京都大田区下丸子4-17-2 ハーモニースクエア
●東急多摩川線下丸子駅徒歩8分

 

店舗情報

営業時間 ◆フェアリーサークルバレエスタジオ綱島校

水曜日:バレエリトミック(2歳~)14:15~15:00
水曜日:子供バレエ1(4歳~)15:00~16:00
水曜日:子供バレエ2(7歳~)16:00~17:00

◆フェアリーサークルバレエスタジオ下丸子校

木曜日:バレエリトミック(2歳~)14:30~15:20
木曜日:こどもバレエ1(3歳~)15:30~16:30
木曜日:こどもバレエ2、ジュニアクラス(7歳~)16:30~17:45

土曜日:おとなバレエ(初心者~経験者まで)10:00~11:15
土曜日:こどもバレエ1(3歳~)11:15~12:15
土曜日:こどもバレエ2、ジュニアクラス(7歳~)12:15~13:30

定休日
駐車場 近隣にパーキング有
ご利用料金 入会金:5000円

●綱島校  月謝:6000円(兄弟割あり)

●下丸子校 月謝週1回 7000円~ 週2回12000円~(兄弟割あり)

連絡先 鍋谷明(なべや あき)
TEL: 090-4961-8670
Email: aki-sahiko@hotmail.co.jp
HP http://balletfairycircle.web.fc2.com/tunashima.html